共和党を中心とした上院議員が、中国への制裁法案可決に向けて動き出した。
去年末は、米中貿易協議や合意があったこともあり、上院ではウイグル人権法案が審議にさえ進まなかった。
それが、ここへきてウイグル人権法案を審議するというのだから驚きだ。マルコ・ルビオ上院議員を含む超党派グループが進めているという。
しかも、弾圧に関与した人物に的を絞った制裁というのだから共産党幹部の米国内にある銀行口座が凍結される恐れもある!米国の常套手段ですよね、銀行口座凍結や決済させないという( ゚Д゚) 上院が可決すればスピーディーに下院も可決するだろう。中国への強硬姿勢という点では、共和党も民主党も一致しているのだから。
マコネル氏によると、共和党のマルコ・ルビオ上院議員ら超党派グループが作成した同法案はトランプ大統領に対し、「弾圧に関与した人物などに的を絞った制裁を科す」よう求める内容。
事情に詳しい関係者は匿名を条件に、早ければ来週にも採決が実施されるかもしれないが、後ずれの可能性もなおあると語った。
(中略)
下院は昨年12月に、新疆ウイグル自治区でウイグル族などイスラム教徒の弾圧に関与した中国政府当局者に制裁を科すよう求めるウイグル人権法案を圧倒的賛成多数で可決。共産党政治局委員で同自治区の党委員会書記を務める陳全国氏を名指しして制裁対象に指定するよう求めた。
関係者によると、上院でウイグル人権法案が可決された場合、下院案と内容を擦り合わせるため、下院に戻されるとみられる。
マコネル上院内総務の中国強硬姿勢
そして、マコネル上院院内総務が、中国への強硬姿勢を示してきたので風向きが変わってきたように感じる。以前から、香港の民主化運動については強力に支持をしているので、その一環にも思えるが。香港の民主化運動の指導者でもあるマーティン・リーが中国共産党に先月末に逮捕されたことを受けてのツイートもある。
This pandemic originated in China. Its global spread was made worse by China’s unconscionable efforts to cover it up. Working closely with our allies and partners around the world, the U.S. will be asking tough questions about our relationship with the Chinese Communist Party.
— Leader McConnell (@senatemajldr) May 7, 2020
The Chinese Communist Party even used the pandemic as cover to arrest peaceful Hong Kong democracy activists, including my old friend Martin Lee. I suppose they thought the rest of the world might be too distracted to notice. They were mistaken.
— Leader McConnell (@senatemajldr) May 7, 2020
マコネル上院院内総務の二人目の奥さんは、イエレン・チャオ運輸長官である。彼女は、台湾生まれの中国系米国人であり、8歳の時に米国に移民した。また、彼女の家族が、中国の経済的および政治的エリートと深いつながりを持つアメリカの海運会社を経営していることは有名だ。彼女の父親が江沢民と同級生であり、その強力なつながりがあるのだ。このチャオが 北京とトランプ政権の架け橋とまで言われているわけだ。
そういった事情もあるので、たえず、マコネル上院院内総務は、中国との癒着が噂されてきた。 NYタイムズによると、マコネル氏の再選挙キャンペーンで、チャオの家族から100万ドル以上の寄付を受け取ったこともある。 チャオ家は、マッコネル氏にとって、重要な政治的資金源となっているわけだ。チャオ一家は、ケンタッキー州の共和党へのトップドナーの1つであり、20年間で合計525,000ドルを提供しています。チャオの家族が営む運輸業の法務顧問であるクリスティンは、2014年、スーパーPAC ケンタッキーズの2番目に大きなドナーだった。FECの記録によると、1989年から2018年までの間に、チャオ家に関連する親族を含めた13人は、共和党候補者と委員会に合計166万ドルを寄付している。 チャオ一家と共和党、マコネル上院院内総務というのは結びつきが強いのだ。
そんなわけで、香港や台湾の民主主義を支持する発言はしつつも、中国共産党をダイレクトに非難することはあまりなかったように感じる。彼が強硬姿勢になれば、もっと法案化は進んでいくかもしれない。