従業員4人以下の企業の7割は給与保護プログラムPPPに申込んでいない!?

CNBCが非常に興味深い調査を実施している。

サンプル数は 2,220(男女ほぼ半々)
調査期間は、SURVEY DATES: 4/21–4/27
事業主の雇用者は4人以下が約70%。

調査結果によると、従業員4人以下の事業主は、7割が融資を申し込んでいない
逆に従業員が5人以上になると、ざっくり6~7割が融資を申し込んでいるようだ。興味深いことに、従業員数が多い事業主ほど、すでに資金を受け取っているのが3割になり、 従業員 数が少ないほど資金受取割合が低くなる。
これだと、銀行にアクセスしやすく、信用が既にある中規模の企業ほど融資がスムーズに進んで受け取れたというPBSの指摘と合致していると思われる。

https://www.surveymonkey.com/curiosity/cnbc-small-business-q2-2020/

じゃあ融資なしでどうやって乗り切っているのかというと、たいていは自身の給与カットが一番多いパターンだ。次いで、地方政府の要請により休業したり、自主的な休業で乗り切っている。実はレイオフについてはそこまで多くない。
5人以上の 従業員 がいる事業主はレイオフ実施率がたった20~25%しか実施していない。50人以上の 従業員 がいる企業についてはレイオフも実施しているが、新規雇用も10%ほど実施している。

ところで、米国の500人以下の 従業員をもつ中小企業は米国全体雇用の半数を生み出している。その内訳を示すと、 従業員 4人以下の企業が企業数の56%をしめる。売上でいくと中小企業の約4割を占める。実は、結構大きいのだ。

https://www.jpmorganchase.com/corporate/institute/small-business-economic.htm

じゃあこんな状況でどうしていくんだというと、これらの企業は債務を背負うよりも破産を選ぶんじゃないかということです。店を再開するといってもそれなりにコストはかかるわけだし、投資できるかというと難しいわけです。第二のコロナ感染拡大が起きるかもしれないわけだし。

Small business bankruptcies in the next month or two will be a result of an owner’s calculation that they are better off in bankruptcy than in structural debt.
(中略)
Small business experts caution that reopening is fraught for small business owners because there are many costs associated with it, including advertising, marketing, hiring and ramping up buying of supplies, and it is difficult to make investments in this environment. Then if there is a second wave of cases, there will be costs associated with that, including another round of layoffs.

https://www.cnbc.com/2020/05/04/small-business-confidence-crashes-main-street-fears-more-carnage.html

むこう1年間の売上見通しは、売上増加、同じくらい、減少がそこまで偏っているわけではないが、それでも4割が減少するとしているのは大きく足を引っ張ることになるだろう。むしろ、増加すると回答した人はどんな業種なんだ?と思ったが、食料小売りから不動産まで、あんまり偏りがないですね。

https://www.surveymonkey.com/curiosity/cnbc-small-business-q2-2020/

さて、中小企業委員会のルビオ委員長は、PPPがうまく機能していると発言しています。合計で4000万件の融資申請があったようなので、ほぼほぼ融資が行き渡ったともいえそうですが、どうもCNBCの調査と噛み合っていない感じがしています。