2020年大統領民主党候補としては、バーニー・サンダース候補がリードを固めてきた。スーパー・チューズデーでリードできれば、もはやサンダース議員が民主党大統領候補となるだろう。
2020年米大統領選の民主党候補の公認指名争いで、バーニー・サンダース上院議員が全米で大幅なリードを固める状況が、ワシントン・ポストとABCニュースの世論調査で示された。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-19/Q5YWYVDWLU6D01
民主党および同党寄りの登録有権者を対象に14-17日に実施した世論調査の結果によれば、サンダース氏は32%と1月から9ポイント支持を伸ばした。他の有力候補は、バイデン前副大統領が16%、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が14%、エリザベス・ウォーレン上院議員が12%で続いた。調査の誤差率はプラスマイナス3.5ポイント。
サンダース氏は、18日に結果が公表された米公共ラジオNPRと公共放送PBS、マリストの合同世論調査では31%、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースの調査でも27%の支持を獲得し、いずれも首位に立っていた。
私も、民主党大統領候補になると予測しておく。国民皆保険と公的年金につられた高齢者の票獲得と、学生ローンの負担が重いミレニアル層にはローン軽減、学費無償化ではジェネレーションXと各年齢層に焦点を掲げて公約をあげていて、色々見ていてもサンダース候補に向かっている人達は、まさにこれらに期待していると見受けられる。
社会主義とレッテルをはられているが、公約をみると、各世代にとって魅力的なものばかりだ。若者層の支持はわかりやすいが、60歳以上の高齢者も債務を背負っていたり、新たな医療債務が発生したせいで働かざる追えなくなっている。
米国では、60代と70代の高齢者の債務増加が著しい。そのほとんどが住宅ローンだ。とある調査によると、2018年の個人破産者のうち、7人に1人が65歳以上だ。多くが、債務を背負ったままリタイアしているが、返済しきれない状況が続いている。膨らんだ債務が、サンダース候補への支持に向かわせているといっても過言ではないのかもしれない。
Older Americans have seen their debt levels increase sharply over the past two decades, straining seniors’ finances at a delicate time — when they’re preparing to retire or have already entered their golden years.
https://www.cnbc.com/2020/02/26/debt-among-older-americans-increases-dramatically-in-past-two-decades.html
The total debt burden for Americans over age 70 increased 543% from 1999 through 2019, to $1.1 trillion, according to data from the Federal Reserve Bank of New York.
Similarly, those in their 60s saw debt, such as mortgages and auto loans, balloon by 471% to $2.14 trillion.
最大の懸念であった、民主党指導部とサンダース大統領候補が歩み寄れるかについては、乗り越えられそうな兆候がみえてきた。何より、バーニー・サンダースとチャック・シューマー上院院内総務は高校同級生であり、同じユダヤ人だ。更には、企業自社株買い規制への法案も連盟で提出している。日本的な仲良しかどうかはわからないが、少なくともお互いの利益のために歩み寄れそうな状況であると見受けられる。
トランプ・キャンペーンは、白人とヒスパニックはこれ以上票がとれないと感じたのか、支持率が低いアフリカ系アメリカ人からの票獲得を目指して、キャンペーンの方向性をいっきに変えてきた。クシュナー大統領顧問の戦略のようだ。
アフリカ系アメリカ人の票は、若手ならサンダース議員が集めている。あとは、どれだけトランプ大統領と、サンダース大統領候補がアフリカ系アメリカ人ミレニアル、ジェネレーションX以外の票をとれるかが鍵になるだろう。それが、スーパーチューズデーである程度判明するはずだ。
ところで、ウォール街は、サンダースがトランプ大統領に勝てっこないと考えているようなので、サンダースリスクを考えるのは大統領選挙がもっと近づいてからになりそうだ。