コロナウイルス感染拡大による経済への影響2020年2月22日段階

2月22日(金)の国内および海外の各種指数、経済指標は別ページの通り。

まずは、少しコロナウイルスの現状について整理。日本の実体経済は経済指標として発表されない限り、株価は動かないので割愛。

北京などのアップルは5店舗ほど営業再開した。
・香港の空港は未だに人気がほぼない状態。香港学校は3月16日まで閉鎖。
香港と本土を結ぶ国境は、完全に封鎖できていなくて、市民の抗議継続。
・マカオのカジノは今週から再開
・湖北省の工場再開は3月11日まで延期された。
・以下によると、湖北省以外の製造業大企業の社員出社率は66%で思ったよりも高い。
米疾病対策センター(CDC)幹部は21日、新型コロナウイルスの米国内での感染拡大の可能性に備えていると発言。
・韓国が104名、 日本(86人)、シンガポール(84人) とアジアで感染拡大。シンガポールの気温は31℃、韓国(ソウル)7~10℃なので、暑くても寒くても感染が拡大している。暑くなれば収束するという可能性は低い。

https://twitter.com/shenmacro/status/1230881162018476032

S&P500上場企業の半分ほどは、コロナウイルスによって影響する収益は、7.2%ほどなのでさほど大きくありません。S&P500社全社平均では、4.8%なので、米国がコロナウイルス蔓延による影響はさほど大きくないようです。米国内でのインバウンド消費は全消費3%程度で中国人比率は15%程度でそこまで大きくないのです。
そりゃ米国市場は、株価は大きく下落しないわけですね。
しかし、農家は農産物輸出が合意を下回りそうなので引き続き厳しい状況に置かれるでしょう。

Nearly half of the S&P 500 companies have cited coronavirus during their earnings call this season, according to FactSet. These companies’ average revenue exposure to China is 7.2%, compared to 4.8% exposure for the average S&P 500 company.

https://www.cnbc.com/2020/02/21/coronavirus-fears-ruin-solid-earnings-season-and-cloud-growth-picture.html

米農務省は2020年度(10─9月)の農産物輸出が、前年比40億ドル増の1395億ドルとなり、そのうち中国向けは140億ドルになるとの見通しを示した。
米中が1月に署名した「第1段階」の通商合意では、中国が向こう2年で米農産物の購入額を年平均400億ドルに拡大するとされており、農務省の見通しはこの額を下回る。

https://jp.reuters.com/article/usa-crops-outlook-perdue-idJPKBN20E30C

一方で、日本およびアジアはどうでしょうか。
ファーストリテイリングの店舗数半分はグレーターチャイナ(中国本土、香港、台湾)を占めています。売上が4分の1ほどを占めます。もうファストリは中国本土向けの企業だと考えたほうがいいくりです。ファナックも2018年度で約2割が中国売上。寄与度が高い4銘柄のうち、ソフトバンクだけが違う動きをしますが、3銘柄は中国へのエクスポージャーが20%強占めるはずです。

以下の表は、中国の対外貿易投資について経済産業省が出した資料です。2017年のデータのため少し古いですが、じゅうぶん参考になります。これでいくと、対中輸出割合が高いところほど打撃を受けはずです。日本は10~20%以内です。韓国、オーストラリアは20~30%以上。

https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2018/2018honbun/i2330000.html

一方で、輸入については20~30%以内のレンジに日本、韓国、オーストラリア、東南アジア、米国、ロシアが入ります。

中国との輸出入比率が大きい国ほど、実体経済に打撃を受ける可能性は大きいはずです。


しかし、肝心のお金を流してくるおおもとである米国には中国コロナウイルスによる大きな影響がほぼないとすると、株価にあたえる影響は小さいのです。
むしろ、PMI悪化に伴い、予防的な利下げを実施してくる可能性さえ強まってきています。4月の利下げ確率は4割、6月の利下げ確率は6割に上昇しました。
更なる

買入資産については、最新の2/19データでは先週よりは減りました。2019年9~12月まで一方的に上昇していましたが、これ以上は更に上昇するというのは難しくなっていると市場も考えているはずです。