トランプ政権は、間違いなくイスラエル寄りです。
まず、トランプ大統領の娘と娘婿のクシュナーはユダヤ教徒です。クシュナーの祖父は、ナチスの迫害から逃れて米国に渡ってきています。
次に、ペンス副大統領は、イスラエル国会で演説したり、 Israeli-American Council アメリカユダヤ人委員会サミットで演説したり、何かとイスラエルに近いところにいる。
尚、トランプ・キャンペーンに多大な寄付をしたアデルソンが創設した、毎年、 The Adelson Foundationはイスラエルやユダヤ人関連に対して2億ドルを寄付しています。
しかしながら、驚くべきことに共和党上院議員にはユダヤ教徒が一人もいないのです。下院議員に至っても、たった2名しかいません。 Lee Zeldin (R-NY) David Kutsoff (R-TN) のみです。下院共和党議員は199名しかいないのに、2名しかいません。下院民主党員は235名で25名、上院民主党員は45名で9名もいるというのは米国ユダヤ人口は全体の2%弱ということを考えると議員に占める比率としては多いことがわかります。
共和党で最も最多を占めるのはプロテスタントです。歴史をふりかえれば当然といえば当然ですが、共和党・民主党を含めると議会内でのプロテスタント人口は半分を上回るのです。 米国のプロテスタント人口(2019)は43%と減少の一途をたどっているにも関わらず、議員では圧倒的にプロテスタント信仰が多いのです。 議会はプロテスタントの精神で動いているといってもいいでしょう。
次に、信仰が多いのはカトリック。上院議員にいたっては、カトリック信者はプロテスタント信者の5分の1くらいで少数です。
もう一つ注目すべきこととしては、米国民主党におけるカトリック信者の多さです。ほぼプロテスタントと同数存在します。しかも、カトリック信者といっても、決して一枚岩ではなく、白人系カトリックは共和党を好み、ヒスパニック系カトリックは民主党を好む傾向が強いようです。意外だったのは、カトリック人口において黒人層は3%しか占めなかったということです。
White Catholics are more likely to vote Republican, while Hispanic Catholics overwhelmingly back Democrats. (Most American Catholics are either white or Hispanic. Black and Asian Americans each make up roughly 3% of the U.S. Catholic population, according to the Pew Research Center’s 2014 Religious Landscape Study.)
https://www.pewresearch.org/fact-tank/2019/01/24/like-americans-overall-u-s-catholics-are-sharply-divided-by-party/
この記事を読む限り、共和党・民主党のどちらも米国カトリック人口5100万人をどう取り込んでいくかが関心ごとだったようです。その影響もあって、両党にカトリック信者の議員を取り込んでいったのでしょう。