3/15-20 米議会・経済スケジュール/インフラ法案の進捗整理

【1】米議会下院スケジュール

今週は、ホイヤー下院多数党院内総務がツイッターで「今週の本会議投票」としていた通り、以下の法案が本会議で採決があります。

https://twitter.com/LeaderHoyer/status/1370526967913721861

5番目にある法案は、今回の1.9兆$法案による歳出でPAYGO法を上回る歳出になった場合、義務的支出が自動的に削られることになるが、メディケアを削除しないようにする法案だ(参照元:The Hill) 上院で可決するのは難しい気がするので、この行方が気になる。

下院議会は、来週から委員会活動になり、3/27~4/9はワシントンから離れて地元にもどる予定となっています。 4/4 のイースターを挟んだ前後の週はお休みということですね。

また、下院金融サービス委員会による3/17「Game Stopped? Who Wins and Loses When Short Sellers, Social Media, and Retail Investors Collide, Part II」公聴会については、RobinhoodCEOなどは呼び出されないみたいですね。詳細はこちら


【2】下院議会でのインフラ法案進捗について

先週、1.9兆ドルの大型法案を可決したばかりですが、早くもペロシ下院議長はインフラ法案に向けて各委員会に法案作成するように指示しています(参照元:The Hill) 問題は、そのインフラ法案が単独法案として本会議にかけられるか、財政調整プロセスをつかって進むかです。前者は、上院では60票必要として、後者は上院で単独過半数で可能となります。

現段階では、今回の1.9兆ドル追加経済対策と同様に財政調整プロセスを使って進めるという見方が大半です。下院予算委員会議長が インフラ&気候変動対策法案を含めた2022年度の予算決議は、7月に予算決議採択して、9月末までに上下院で法案可決させる予定としています。7月より前に提示する可能性は低いとも発言しているのは留意しておく必要があると思います。(参照元:The Hill

2つの視点から、インフラ法案に盛り込まれる内容が予測がつくとみています。

① 既に下院の各委員会からあがってきた法案内容

例えば、下院のエネルギー委員会からは既に2つの法案が上がってきていて、 2022年度財政調整法案に盛り込む可能性も示唆しています
2050年までに米国内の温室効果ガス排出ゼロ法案(予算は5650億$)。
The LIFT America Act ( 総額3120億$)
 ―クリーンエネルギーやエネルギー効率向上 ( $699億$ )
 ―電気自動車のためのインフラ構築( $418億 )
 ― ブロードバンド網の拡充に1000億ドル
 ―医療関連施設に300億ドル

 2020年に下院で可決したインフラ法案1.5兆ドルがベースになるかも。

橋や道路の補修なら、共和党の賛同を得られそうなので単独法案が進む可能性もありますね。共和党が多数党だった2019年にエネルギー委員会が約3000億$のインフラ法案を提出したこともあるので一定の賛同が得られそうな気がします。

法案は陸上輸送に約5000億ドル(特に橋や道路の補修に3000億ドル以上 )、学校関連のインフラに1300億ドル、配電網の改修に700億ドル、住宅に1000億ドル、ブロードバンド網の拡充に1000億ドル、医療関連施設に300億ドル、それぞれ投じる内容。

https://jp.reuters.com/article/usa-infrastructure-congress-idJPKBN2427KE

尚、今回のインフラ法案で一部民主党員は、移民改革や薬価引き下げなどを盛り込みたい考えもあるようです(The Hill
パフォーマンスなのか、盛り込むことに意義があるのかよくわかりませんが、なんでもかんでも財政調整プロセスに盛り込みたいようですね。
また最低賃金15$の時のように、上院上級顧問のバードルール判断に注目が集まりそうです。

それにしても、バイデン大統領が公約で示していたとおりインフラ法案は2兆ドル規模になりそうですね。各メディアも2兆ドル規模になりそうと予測してきています。米国の年度は、9月末で終わり、10月から2022年度の予算を使えるため、GDPインパクトが2021年Q4がさらに上昇する可能性もありますね。もちろん、2022年のGDPインパクトが大きそうですが。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-03-10/house-sends-stimulus-bill-to-biden-checks-to-u-s-pocketbooks?sref=lw8NgS9l

1.9兆$追加財政法案の土壇場で盛り込まれた600億$の増税

また、PoliticoFOXが1.9兆$法案に実は600億$もの増税が含まれていたと報じています。 100万$以上の高収入な上場企業の従業員の控除制限とか、多国籍企業の利子費用の計上方法とかが盛り込まれているみたいですが、理解に自信がないので詳細は記事をご覧ください。
Politicoも記事内で指摘しているように、インフラ法案にも増税を盛り込んでくる可能性があることは考えておいた方がよさそうですね。

【2】米議会上院スケジュール

上院議会は、下院議会と少しずれて3/29~4/11はワシントンから離れます。 4/4 のイースターを挟んだ前後の週はお休みということですね。
委員会公聴会については、バイデン大統領が指名した高官レベルはほぼ落ち着いたかな。…OMB長官はどうなるんだろうか。
月曜日には注目されたいたハーランド内務長官の指名投票が行われます。

【3】ホワイトハウス

 大統領の一般教書演説について
まだ決まっていない…。議会は休会になるけど、4月にやるのだろうか…
大統領の予算要求もOMB長官決まっていないし大幅に遅れそうな…

 ブリンケン国務長官
オースティン国防長官とブリンケン国務長官は15日から日本や韓国を訪問予定。
3月18-19日にアラスカで ブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が、中国の外交担当トップの楊潔篪共産党政治局員および王毅外相と来週アラスカで会談予定。

【4】経済指標

もうサマータイムがはじまっていた!
FOMC記者会見は3/18(木)3時~になるのね。

米債券入札。