米国株式市況/共和党内部もトランプ敗退と考えてる?

【NYダウ】28,195.42▼1.44%
【NASDAQ】11,478.88▼1.65%
S&P500  3,426.92 ▼1.63%
ラッセル2000種指数 1,613.628▼1.24%
米30年債利回り 1.562↑
米10年債利回り 0.769↑
米2年債利回り 0.153↑
VIX恐怖指数  29.18
SKEW INDEX 124.75△0.85%
WTI原油先物 40.84 
フィラデルフィア半導体指数:2385.85▼0.58%
ブルームバーグ ドル・スポット指数 : 1,167.50▼0.02%
LQD  135.08▼0.19%
HYG  84.33▼0.35%
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 2,269.65 ▼0.02%
米取引所の合算出来高は86億9800万株。直近20営業日の平均は92億1300万株。
AAPL 115.98▼2.55% (52週最高値 137.98 )
AMZN 3207.21▼2.00% (52週最高値 3552.25)
GOOG 1534.61▼2.44% (52週最高値 1733.18)
MS   214.22 ▼2.48% (52週最高値 232.86)
NVDA 539.91▼2.27%( 52週最高値 589.07)
FB   261.40▼1.70% (52週最高値 304.67)

S&P 500は△0.4%、ナスダック総合指数は0.6%△してオープニングを迎える。
米NAHB住宅市場指数は85(前月83)
しかし、東部標準時間正午頃には▼0.3%下落に転じる。
ワシントンポストの記者が「どうも合意しそうにない」と報じたことで売られたとCNBCでも書かれてますが、どうも腑に落ちません。米債券の利回りも上昇したのに、それで売られたようですね。
だってマコネル上院院内総務は共和党独自の法案を通そうとしているからわかりきったことじゃないですか。

FEMAみたいに大統領権限で動かせる予算もあるけど、基本的に連邦政府の予算権限は議会が握っている。どんなにホワイトハウスと民主党指導部(しかも下院議長)が交渉しようとも、上院多数党である共和党がその予算案に賛成に投じないと予算が動かせないのだ。マコネル上院院内総務は、21日(水)に5000億ドル規模の追加経済対策予算の法案を議会に取り上げると発言している。20日(水)にはPPPについての追加法案も取り上げるようだ。

上院の多数党院内総務というのは、絶大な権限を持っており、どの法案を本会議で採決するかの決定権を事実上もっている。そうしたどの法案を取り上げるかの決定権を共和党が握っているので、今まで下院民主党が通過させたいくつもの追加経済対策法案が取り上げられてこなかった。民主党案を取り上げるはずがないし、4月の時だってそうだった。

ずっと選挙前に追加経済対策予算は実現しないと言ってきたが、一つだけ可能性があるとしたら共和党案に民主党が妥協して賛成を投じることだ。あとは、包括的な法案ではなく、給与保護プログラムのみの法案とかにペロシ下院議長が応じることもありうる。
ブルームバーグではペロシ下院議長は、共和党と調整するように命じたようだけど、どうなんだろうねえ。ペロシ下院議長も選挙前に民主党内部の分裂をこれ以上深めてはいけないという判断にもなったのだろうか。

民主党は地方自治体や勤労者、学校、ヘルスケアの優先分野で譲歩に抵抗している。ハミル氏によれば、ペロシ議長は下院各委員会の民主党委員長に対し、上院共和党側と主要分野での相違を調整するよう指示した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-10-19/QIGCERDWRGG701

共和党内部もトランプ敗戦と考えてる?

マコネル上院院内総務もThe Hill内でトランプ再選をあきらめているみたいなことを書かれていたが、トランプ再選は無理だと共和党内部でも考えているような記事がちらほら書かれている。特に、白人高齢者からの支持率が急落しているとのことだ。この記事でもトランプのコアサポーターである地方の白人、保守派、白人福音派、大学の学位を持たない白人男性からの支持が未だにあることは認めているが、高齢者からの支持率下落が深刻だと書かれている。
一方で、トランプ大統領指名のバレット最高裁判事が承認されれば巻き返すという可能性も根強くある。最後の最後までわからない状況でもあるのだ。
尚、上院については共和党は3議席落とす、民主党は1議席落とすという見方がほぼ確定で、50vs50あるいは51vs49(←両党とも51議席とる可能性あり)を巡ってトスアップが続いている。

Veteran Republicans have all but given up on Donald Trump’s reelection and are now focused on minimizing the damage down ballot. They criticize Trump’s poor messaging and salute the Democrats’ fundraising numbers, which reflect Democratic enthusiasm and foretell Republican problems down the stretch.
While Republicans still have a chance to hang on to the Senate, Democratic gains are inevitable, and a net Democratic gain of at least three seats is likely.

https://www.rollcall.com/2020/10/19/excuse-me-but-is-that-a-partisan-wave-building/

すでに期日前投票が3000万票に到達したわけだが、想像以上に高齢者の期日前投票(郵便投票)が多い。民主党員の方が期日前投票数が多いが、意外に共和党員も多いのだ。高齢者なのかもしれない。若者の投票が少ないと、共和党有利に働くから、そのあたりも気にしていきたいところだ。

また、トランプ陣営+共和党は、資金調達にも苦しんでいる。 トランプ陣営の9月資金調達は2.4億ドル。バイデン陣営の3.8億ドルからおおきくビハインドする結果となった。 共和党が民主党より資金集めで劣ることはここ10数年続いているが、それでも今までトランプ陣営がリードしたこともあって9月の逆転はダメージが心理的にもダメージが大きいのかもしれない。

Trump’s campaign, along with the Republican National Committee and associated groups, raised $247.8 million in September, well short of the $383 million raised by Biden and the Democratic National Committee in the same period. Trump campaign communications director Tim Murtaugh tweeted that the Trump effort had $251.4 million on hand at the end of September, compared with $432 million for Biden.

https://www.pbs.org/newshour/politics/biden-out-raises-trump-383m-to-248m-in-september

11/10~オバマケアの最高裁による審理

総選挙間近なので、選挙にばかり目がいってしまいがちだが、投票日の1週間後には最高裁で通称オバマケア( the Affordable Care Act )が審理される予定だ。現在、ACAには2000万人が加入しており、ACAが違憲だと判断されれば2000万人がコロナ禍で無保険になる。

最高裁判事承認の進捗は、予定通り進んでいて10月末までにはバレット最高裁判事候補が承認されるだろう。最高裁や議事堂前でプロ・ライフ派とプロ・チョイス派の両方のデモがあるのがなんともいえない。

で、オバマケアで保険会社が相次いで撤退していったという記事は読んでことはあるが、実際に撤廃されたらどのくらいの影響があるのかなどは事前に確認しておいたほうがよさそうだ。また、撤廃されたら税制がどうなるのかは以前WSJが一部を書いている。

業界関係者によれば、医療保険制度改革法(オバマケア)が見直されれば、被保険者という「上客」が減る一方、同法が定める手数料や税の支払い義務は残るのではないかとの懸念がある。 (略)
 医療機器会社は、オバマケアに基づき米国内での売り上げに2.3%の物品税が課されているため(現在は一時的に停止している)、これが撤廃されれば業績は押し上げられる。

https://jp.wsj.com/articles/SB10852398588237353609804582580891801828260