米国株式市況/FOMC通過、FF金利先物は早くも年内利下げ見込み

【DOW】 32,030.11▼1.63%
【NASDAQ】11,669.96 ▼1.60%
【 S&P500】 3,936.97 ▼1.65%
ラッセル2000種指数  1,733.34 ▼2.50%
VIX恐怖指数  22.26↑ 
Fear & Greed Index 37 ↓ 
米30年債利回り 3.670%  ↓  
米10年債利回り 3.451%  ↓  
米5年債利回り 3.534%   ↓
米2年債利回り 3.960%  ↓
米1年債利回り 4.509%   ↑
米6か月債利回り 4.871%  ↑
U.S. 10 Year TIPS  1.204% ↑
米実質金利(10年)1.36%[3/21]
米実質金利(5年)1.48%[3/21]
フィラデルフィア半導体指数:3091.71▼0.81% 
WTI原油先物 69.96→ 8:51JST  
ドルインデックス 102.438↓  
ブルームバーグ ドル・スポット指数 : 1,233.94 ▼0.02%     
ブルームバーグ商品指数  102.5711 ▼0.13%             
バルチック海運指数  1,456.00 ▼3.70%   [3/22] 
S&P/LSTA U.S. Leveraged Loan 100 2,436.17↑ [3/23] 
Bitcoin (USD) 27,273.77  8:54JST
米取引所の合算出来高は118億4000万株。直近20営業日の平均は127億株

FOMC/パウエル記者会見

全会一致で25BP利上げ決定ですか。声明文から “継続的な引き上げ “という文言を削除したことが早期利下げの材料視とされたようだ。また、ロシアのウクライナ侵攻の不確実性のコメントが取れて銀行システムの話が入ってきたね。

https://twitter.com/NickTimiraos/status/1638601675609915392

で、FOMCで発表された経済予測。これを見る限り、年内はあと25BP利上げが一回あるとみているよね。で、2024年には100BPの利下げがあると。
だとすると2024年からピッチあげて利下げしていくことになるよね。25BPだったとしても4回は利下げすることになるでしょ。まあ徐々にやるのか、一気に利下げするのかもわからないけど。

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20230322.pdf

PCEは2023年は3~4%で、2.9-3.0%が多かったのが全体的に上方修正された

PCEコアはもっと顕著に全体的に上方修正されたね

パウエル議長の記者会見

金融のコンディションは引き締まったということを発言しつつも、どの程度深刻で、それが持続しそうかを見極めたいという発言。また、インフレとの戦いはまだ終わっていないと発言している。

“Financial conditions seem to have tightened,” Fed Chair Jerome Powell noted. “We’ll be looking to see how serious is this and does it look like it’s going to be sustained. And if it is, it could easily have a significant macroeconomic effect, and we would factor that into our policy decisions,” he added.

https://www.cnbc.com/2023/03/21/stock-market-today-live-updates.html

FF金利予測をみると、5月FOMCでFF金利現状維持と25BPの見解が半々。7月には6割が利下げ実行、9月には8割が利下げするとみているんだね。FOMCの経済予測の金利予測とかなり食い違うんだけど、危機が起きてFRBは行動せざるおえないからとみているのだろうか…
まあ確かに米債利回りも米6か月債は5%近い利回りだが、米1年債利回りは4.509% まで下落した。


リージョナル・バンク再び下落

SPDR S&P Regional Banking ETF (KRE)▼5.6%
First Republic ▼15.47%と預金引き出しがニュースになった PacWest Bancorp ▼17%
ZION Bancoperation▼6.72%なども売り込まれる。
イエレン財務長官が「 US Not Considering ‘Blanket’ Bank Deposit Insurance」と発言したことが嫌気されてまた売られたという話だが、昨日も書いた通り、 “And similar actions could be warranted if smaller institutions suffer deposit runs that pose the risk of contagion.” と発言しただけでなんでこれが全預金保護につながった解釈になったのかがさっぱりわからない。similar actions だからかね?

というか、米政府である米財務長官が米議会の立法による権限付与なしに全額預金保護なんて普通に考えて無理ですよ。米財務長官だけの判断で実行できるのは米財務省権限下にある為替安定化基金(Exchange Stabilization Fund)で全預金保護に対応することくらいだけど、それをやっていいのかという話。あとは、 Federal Deposit Insurance Corporation Improvement Act of 1991 に基づく、システミックリスクの例外措置でしょ。乱発していたら、それこそ権限乱用だとして訴訟がおこる。


これ年初からの引き出しでしょ。となると預金引き出しが今にはじまったというわけではなく、年初からじわじわきたという話なんではないかな。確かに、そういうニュースがちらほらあった。

米銀パックウェスト・バンコープは、投資会社アトラスSPパートナーズから14億ドル(約1860億円)の現金を確保したと明らかにした。同行では年初から預金の20%が流出。資金調達の別の取り組みは諦めたとした。
22日の発表文でパックウェストは、預金流出額は計69億ドルで、そのうちの約49億ドルはベンチャー・バンキング部門からだと説明。預金水準は「安定」していると付け加えた。 同行の手元資金は3月20日現在で114億ドル以上あり、同行の保険外預金総額約95億ドルを上回っている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-22/RRXBAKDWLU6B01?srnd=cojp-v2

あと、気になるのがこれ。
米地銀破綻で身構える不動産所有者、債務9000億ドルへの圧力強まる(引用元:ブルームバーグ

米地銀の破綻で不動産業界最大の資金調達源が脅かされる中、商業用不動産の所有者は年内に4000億ドル(約59兆円)近い債務の返済期限を迎える。MSCIリアル・アセッツの22日のリポートによれば、さらに約5000億ドルの債務が2024年に期限を迎える。
  年内に借り換えが必要な不動産所有者は、借り入れコストの大幅な上昇と不動産価値の下落に直面している。シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー・バンクの今月の破綻を受けて貸し手がリスクの削減を急ぐ中、交渉は一層厳しいものになる可能性がある。
  MSCIリアル・アセッツのエコノミスト、ジム・コステロ氏は「先週起きた混乱は、22年に他のどの住宅ローンよりも商業用住宅ローンを支えた貸し手グループの中心を襲った」と指摘。 「それは既に起きていたことであり、倒れている人を蹴飛ばすようだものだ」と語った。
MSCIによると、借り入れコスト上昇やリモートワーク増加の影響で特にオフィス不動産の所有者は苦戦しており、そのうち400億ドル近くに上る物件が窮地に陥る可能性が高いとみられる。23年に返済期限を迎える債務の約4分の1がオフィス関連となっている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-22/RRXEKQDWRGG001?srnd=cojp-v2