米FRB、社債保有額が348.53億ドルに急増

3月から4月にかけて前週比10%以上の資産増加で進んできたことを考えれば、20日から27日の増加率は0.8%程度なのでだいぶ一服してきたように思う。

https://fred.stlouisfed.org/series/WALCL

投資適格級社債は年初から1兆ドルを超えて発行されているけど、350億ドルくらいしかFRBは買い取っていないようだ。だとすると、市場で買い手がいるからあまり買い支えしなくていいのだろうか。よく理由がわかっていない。

米連邦準備理事会(FRB)は27日までの週に、新型コロナウイルス危機に対応する緊急措置の1つである社債買い入れプログラム「セカンダリーマーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティー(SMCCF)」で、社債に投資する上場投資信託(ETF)を11億7700万ドル購入した。これにより、同プログラム下での社債ETF保有額は合計29億7800万ドルとなった(訂正)。
また、SMCCFでの資産保有総額は348億5300万ドルとなり、前週の約18億ドルから急増した(訂正)。
(中略)
同プログラムが保有する社債および社債に投資する上場投資信託(ETF)は330億5200万ドル増え、348億5300万ドルとなった。
企業が年初から発行した投資適格級の社債は1兆ドルを上回っている。
リッパーによると、27日までの週に投資適格級債券ファンドは75億0200万ドルの資金流入超となり、高利回り債ファンドは63億1800万ドルの流入超だった。

https://jp.reuters.com/article/fed-bond-idJPKBN2343NQ

また、購入した社債ETFがブルームバーグに掲載されていた。米国における社債発行残高約8兆ドル(2019年初)くらいあるはず。以下の時価総額を見る限り、ETF経由で少なくとも1兆ドルは社債(ハイ・イールド以外)に流れているということかな。だとすると、ETF経由はけっこう大きい流れになるということなんだな。

iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF」や「バンガード・米国中期社債ETF」などが購入された。開示されたのは18日までの買い入れ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-30/QB4UO5DWRGG901
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-30/QB4UO5DWRGG901

さて、FRBのHPに内訳がでていたので少しみてみようと思う。
資産の約半分である約3.5兆ドルは、米国債(Notes and bondsだ)になる。昨年と比較すると、米国債を1.77倍増加させたことになる。
一方で、MBSは去年の時点で1.5兆ドルあったのが、1.8兆ドルに増加したのみで1.2倍にしか増加させていない。
あとは、中央銀行のスワップも4500億ドルくらいあるのが大きいよなあ。
これらだけで5.3兆ドルにもなり、全資産の75%にも匹敵するので、社債購入額なんてたいしたことないようにも思えてしまう。

https://fred.stlouisfed.org/release/tables?rid=20&eid=840961#snid=840963